クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





「───だから、これになる」


「なるほどっ」


勉強机に、早凪くんと2人で並んで勉強中。



やっぱり、早凪くんの教え方はうまくて、ほんと、毎日寝てる人間とは思えないほどだ。


「すごいね、早凪くん。勉強してるようには見えないのに」


「なにそれ失礼」


「うっ、」


早凪くんはムスッとした表情をしてから私の鼻先を軽くつまんだ。


「えっ、じゃあ勉強してるの?」


「そんなの当たり前でしょ」


意外なセリフに、となりの早凪くんをジッと見てしまう。


勉強、するんだ……。


失礼なこと思ってるのは重々承知なんだけど。


「昔から、眠れない時は教科書が友達だったからね」


早凪くんの教科書を見つめる視線が優しくて、どこか切なくて、胸がキューって締め付けられる。


< 199 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop