クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
*
「───だから、これになる」
「なるほどっ」
勉強机に、早凪くんと2人で並んで勉強中。
やっぱり、早凪くんの教え方はうまくて、ほんと、毎日寝てる人間とは思えないほどだ。
「すごいね、早凪くん。勉強してるようには見えないのに」
「なにそれ失礼」
「うっ、」
早凪くんはムスッとした表情をしてから私の鼻先を軽くつまんだ。
「えっ、じゃあ勉強してるの?」
「そんなの当たり前でしょ」
意外なセリフに、となりの早凪くんをジッと見てしまう。
勉強、するんだ……。
失礼なこと思ってるのは重々承知なんだけど。
「昔から、眠れない時は教科書が友達だったからね」
早凪くんの教科書を見つめる視線が優しくて、どこか切なくて、胸がキューって締め付けられる。