クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


真横に人の気配がしたかと思うと、ふわっと髪の毛が持ち上げられる感覚がして、慌てて上を見上げる。


っ?!


「あんたか……」


「へっ、」


ど、ど、どうして。
どうして今、私は、みんなの注目の的である彼に髪の毛を触られて匂いを嗅がれているんでしょうか?!


私の髪の毛の束を細くて綺麗な指で持っている宇垣くん。
その顔や仕草があまりにも綺麗で、息をするのを忘れそうになる。


「え、なんで早凪くんが転入生としゃべってるの?」

「知り合い?まさか彼女?」


「あんな地味な子と?ありえないって」


コソコソ言っているつもりなのか知らないけれど、全部聞こえてますよ……とほほ。


「あ、あの、離……」


みんなの視線があまりにも痛すぎて、早くこの状態をなんとかしたくて声を出す。


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