クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。



他の人には話さないようなことを、私に話してくれたことが嬉しくて。


「なんか意外だったな。早凪くんって何事にも動じないっていうかマイペースで自信の塊ってイメージだったから」


「なにそのイメージ。サイテー」


「いや、サイテーって……」


事実を言ったまでだよ。
私のこと抱き枕だとか言って許可なく触れてくるかと思ったら突然いなくなるし。


ほんと読めない人で、感情とかあるんだろうかって疑いそうになるほどだったから。


「まぁ、だから、早凪くんが、お父さんに見てほしいって思ったのが意外で、少し安心した」



「……今だってそうだよ。俺のことだけ見てほしい」


「え……?」


それって……。
今もお父さんに見てほしいってこと?


「今もあまり会ったりしないの?」


「ん?今はよく話すよ。電話もするし」


「えっ、じゃあ……どういう」


頭の上にポンポンッとハテナが浮かぶ。


「そういうところ鈍感だもんね、ゆるって」


「え?」


早凪くんにそう聞き返したけれど、それから小さな寝息が聞こえ出した。


ね、寝たの??

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