クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
早凪くんのいとこ
「早凪〜〜?!早凪どこにいるの〜〜?!」
ん?!
「ちょっと、莉々ちゃんっ!」
「離して!私は毎年この日を楽しみにしているのよ!早凪!早凪どこ〜?」
へ?!
聞いたことのない女の子の声と、翼くんの慌てた声がドアの先から聞こえて、目を覚ます。
ここは、防災用倉庫。
私と早凪くん、そのままここで寝ちゃってたんだ。
私の後ろには、壁に身体を預けてスヤスヤ眠ってる早凪くんの姿。
あんまりにも綺麗な寝顔で思わず見惚れちゃう。
初めてこの学校に来た時に見た寝顔より、心なしか柔らかく見える。
倉庫の奥にある小さな窓からは、太陽の光が入ってて、昨日すごかった台風が嘘のよう。
って……そんなことよりも!
今、向こうから聞こえる女の子の声って?