クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
ガチャ
っ?!
勢いよく開けられたドアに驚いて、思わず早凪くんから身体を離す。
壊れて開かなかったはずのドアが、開いた。
「はっ!!早凪いた!なんでこんなところで寝ているの?早凪!早凪起きて!莉々、今年も早凪に会いに来たよ!」
目の前には、寝てる早凪くんの肩を優しく揺する、赤いリボンでツインテールをしている女の子。
この子……一体……。
丸襟付きのグレーのふわっとしたワンピースが本当によく似合っていて、まるでお人形さんだ。
この子、早凪くんのことを呼び捨てで呼んでいるけど、知り合い、なのかな?
「って……この子、誰?」
早凪くんが目を開ける前に、私に気付いた女の子がこちらをギロッと見てそういった。
早凪くんを起こす時の声と全然違って、びっくりする。