クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。

「あんただよね。朝、いたの」


さっきまで私の毛先を持っていた手を軽く肩に置いてグッと顔を近づけてきた。


っ？！
嘘。やっぱり見ていたの気付かれていた？！
すごく気持ちよさそうに寝ていたと思ったのに。


人の寝顔をあんなにまじまじと見るもんじゃないなあ。


「えっと……ごめんなさ……」


「宇垣、今日授業出られるのか？」


私が謝ろうとした瞬間、一部始終を見ていた先生が口を開いてそう彼に向かって聞いた。


「いや、出ません。探し物してただけなんで」


「あそう」


「でも……もう、見つかったんで」


っ？！


宇垣くんは静かに言うと、私の頭に手を置いてニヤッと片方の口角だけをあげて笑ってから教室を後にした。


え。

今の……何？？