クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
3人の寮生たち
学校が終わり、朝案内されたばかりの非常ドアから屋根裏部屋に向かい、鞄を置いてから厨房へと向かう。
厨房からは、明人さんが料理を作る音と、いい匂いがして、おもわずゴクンと唾を飲み込んだ。
厨房の入り口前にかけられたエプロンを着け、すぐ隣にある手洗い場で手を洗ってから、厨房の中へと入っていく。
「お、お疲れさまです」
フライパンで何かを炒めている明人さんの背中に向かって声をかける。
「おっ、ゆるちゃんお疲れ!学校どうだった?」
振り返って私に気付くと、朝と変わらない爽やか笑顔でそう聞いてくる明人さんにホッとする。
「いやぁ、思ってた以上に価値観が違ってて。友達、出来そうにないです」
ヘヘッと苦笑いを混ぜてそう言う。
今日は午後の授業はなく、お昼には帰れることになったけど、周りの会話とか聞いてるだけで溶け込めなくて。
明日から午後まであるなんて、ちょっともう憂鬱かも。なんて。ネガティブなこと思っちゃダメなのに。