クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「仲良くって、そもそも莉々ちゃんが私のことよく思ってないんだもん」
「単純にゆるのこと、テストしてるんだと思うよ。どんなわがまま言ってもゆるがキレないか」
「なにそれ……」
テキトーなことを言いながら私の首筋に顔を埋める早凪くんに、そう呟く。
濡れた服が身体にピタッとひっついて気持ち悪いはずなのに、伝わる早凪くんの熱がどこか心地よくて、このまま離さないでほしい。
バカみたいだ。
前はこんなこと、全然考えなかったのに。
「返事は?」
「……っ、」
早凪くんが、埋めていた顔を上げて、私の頬に手を添えてきたので、バチッと目が合う。
やっぱり、いつもよりも増して色気を漂わせてる早凪くんはずるい。
私は、いつだってキュンとしてばかりなのに、彼にとって私は家族のような存在。
あんまり早凪くんの瞳が色っぽくて思わず目をそらす。
「ゆる、答えないとチューするよ」
「は、はい?!意味わかんない!」
「5〜4〜3〜」
「わ、わわわかったから!わかった!莉々ちゃんと仲良くするから!」
突然カウントダウンをした彼に、慌ててそう答えた。