クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「あいつ、ここの寮生だから」


「っ、え?」


今、なんて??
あの、日比野 瑛斗さんが、ここの寮生??


「だから気をつけてね。すーぐ女の子に手出す男だからさ。まぁ、無理やり嫌がるようなことする人ではないから安心して」


「は、はぁ……」


あの美形さんが、この寮に……。


「この寮には3人の寮生がいてね。まずは3年の日比野 瑛斗、それから、2年の相川 翼。最後に、2年の宇垣 早凪」


っ?!


最後の聞き覚えのある名前に身体がピクッと反応する。


「ウガキ……サナ」


「ん?知ってるの?早凪のこと」


食事を全て作り終えた明人さんが、調理台に少し身体を預けて聞く。


「あっ、えっと、同じ、クラスです。女の子の人気がすごく高くて。今日教室に来てた時もすごい歓声で。すぐどっかいっちゃったんですけど」


「見るたびにキャーキャー言われてるからなぁ。あいつが入学してきた頃なんか寮も大変だったんだよ。常に女の子が待ち伏せてたりしてさぁ。今はだいぶそれも無くなったけどな」


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