クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「そんなこと言ってたら、何も進展しないじゃん!ゆるは、あの女に宇垣くんを取られていいわけ?自分はそもそも住む世界が違うからって、何もしない前から諦めるわけ?」
「円……」
まだ、絶対早凪くんのことを全然忘れられていないはずなのに、まっすぐこんな風に言ってくれるなんて。
思わず、うるっとしてしまう。
「私がそうだったから、余計、おんなじ思いしてほしくないの。あんなことになる前にもっとちゃんと面と向かって告白してしっかり振られれば良かったって思うし。行動しないほうがずっと後悔するよ。まぁ、私には、宇垣くんがゆるのこと大好きなようにしか見えないけどね!」
「……うん、」
円の気持ちはすごく嬉しい。
でも、どうしていいのかわからない。
わからないくせに、莉々ちゃんと早凪くんが一緒になるのは嫌だなって気持ちはどんどん膨れ上がっている。