クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「まじか。え、もしかしてゆるちゃん、その時早凪と話した?」
「あっ、えっと、話ってほどのものは……。実は、朝理事長室に向かう前に、眠っている宇垣くんの顔を覗き込んじゃって。それが彼に気付かれていたらしいんですけど……」
「はっはーん。なるほどね〜」
明人さんはなにやら面白いものを見たかなのような顔をして顎に手を添えた。
「ゆるちゃん、早凪に気に入られたんだと思うよ」
「え、気に入られ?!」
な、何を言っているんだ明人さん!
迷惑がられているの間違いでは。
「あ、でも気をつけてよ。特別寮、特に早凪は人気ものだからね〜。あんまり仲良くすると目つけられるかも。ゆるちゃんも、転入早々めんどくさいことに巻き込まれたくないよね。ただでさえ仕事あるんだし」
「はい……」
そうだよね。お金持ちの子たちの手にかかれば私が前にどういうところに住んでたかなんてすぐ調べられちゃうだろうし。
できれば静かに平穏に学校生活を過ごしたいし。
バレないように努めよう。