クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


私のうるさい口を塞ぐためのキス。


とつぜん繋がれた手。


いろんなことがいっぺんに起こってしまって、私はただただ、早凪くんに手を引かれるまま歩くことしかできない。


「お、これゆるに似合いそう」


「えっ?」


急に早凪くんが足を止めてそういうので、彼の目線の先を追う。


「これ、つけてみてよゆる」



早凪くんがなにやら楽しそうにそう言いながら手に取ったのは、マヌケな顔をしたひょっとこのお面。


「……嘘でしょ」


いくら私のことを恋愛対象として見てないからって、ひょっとこのお面を似合うなんて言ってくるなんて、信じられない。


「自分勝手な行動した罰だよ、ほら」


「自分勝手なのは早凪くんのほうでしょ……って」


早凪くんは、私の声に聞く耳を持たずに、お面を私に無理やりかぶせてくる。


「ちょっとーー!!」


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