クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「……どうしよう、ゆる。想像以上に似合い過ぎだよ」
「ほんとやめて……」
「あと3秒だけ」
「まったく……」
お面の目元から、楽しそうにクククッと笑ってる早凪くんが見える。
何よ、楽しそうな顔しちゃって。
莉々ちゃんにはこんなこと絶対しないくせに。
でも……なんだか変な気分。
はじめの頃は、早凪くんを笑顔にさせるって必死でたこ焼きパーティーなんて突然の提案をしていたのに。
今はこんなことで自然と彼の笑顔を見られるんだから。
ひょっとこなんて恥ずかしいお面をしてるのにもかかわらず、どこか、こういう表情を私に見せてくれることが、素直に嬉しくて。
早凪くんにずっと怒ってたはずなのに。
恋ってほんと、変だ。