クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


私も、ちょこちょこっと明人さんの後ろに隠れるように後に続いて部屋の中に入る。


そこは大きなダイニングになっていて。


天井には大きなシャンデリアが一つと、くるくる回るプロペラのようなものが付いているライトが2つ、設置されていた。


すっごいなぁ……これが寮なんて信じられないよ。


「あれ、早凪はどこ─────」


「わぁー!誰、この仔リスみたいな子!」


こ、仔リス?!


明人さんの後ろに隠れていた私の方に飛びついてきたのは、なんと、今日の始業式に挨拶していたあの日比野 瑛斗さん。


近くから見ると余計、思わず恥ずかしくて顔を晒してしまいそうになるほどの端正な顔立ち。


「めっちゃ小動物なんだけど!可愛い!え!なに?!」


「あ、1組の転入生って、まさか君?」


っ?!


しゃべる日比野さんの後ろからひょっこり顔を出してきたのは、なんともまぁ可愛いらしいお顔をした男の子。


クリクリお目目と栗色の髪の毛。
この子が、さっき明人さんが言っていた、相川 翼くん、かな?


< 30 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop