クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「あ、えっと、転入してきた2年1組の篠原ゆるです。よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げて挨拶をする。
やっぱりこういう自己紹介、緊張するな〜。
「へ〜転入生のゆるちゃんか。可愛い〜。でもなんでまた転入生がここに?」
ほんと、日比野さんって口癖みたいに可愛いって言うんだなぁ。
「あぁ、彼女にはこれからこの特別寮のメイドとして働いてもらうことになった」
自然と私の肩に置かれていた日比野さんの手を、明人さんがさりげなく振り落としてからそう言う。
「えっ、メイドって、山ちゃんみたいなおばあちゃんじゃないの?!」
驚いて目をパチパチさせながらそう言う日比野さん。山ちゃんって、明人さんが言っていた前のメイドさんのことなのかな。
「ちょうどいいタイミングで理事長を通してゆるちゃんのお父さんから連絡があったんだよ」