クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「それで、早凪は?」
「あぁー、始業式の時はチラッと見かけたけどそれからはわかんねー」
「俺も知らないな〜」
日比野さんたちは、そう言いながらサービスワゴンに置かれた食器や食事を自分たちで取り出して準備し始めた。
なんか意外だな……。
彼らみたいな、いわゆるお坊ちゃん育ちって感じの人たちはこういうこと全部、お手伝いさんにさせるんだとばかり。
食事も、明人さんの作る料理はすごく美味しそうだけど、どちらかというと一般的で。
もっと豪華なフルコースとかが出るんだと思っていた。
「3人の親の意向なんだ。出来るだけ一般的な食事を与えること、身の回りのことは出来るだけ自分たちでさせること」
私の思ってることがまたも分かったらしい明人さんは、耳打ちでそう教えてくれた。
なるほど……。
甘やかし過ぎず、ってことか……。
「お〜い、アキ、なーにいちゃついてんのー?理事長に言いつけるぞ」
「うるさい。さっさと食べろ」
「え〜俺ゆるちゃんに食べさせてほしい〜!」
っ?!
ん???食べさせる?!