クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





食事がすべて終わり、食器洗いを済ませてから、私はバスタオルを持ってお風呂のある脱衣所へと向かう。


……みんなを笑顔にさせることよりも先に、私にはしなきゃいけないことが残っていたんだ。


宇垣くんに、ちゃんと話さなきゃ。


同じクラスだし、私が寮で働いていることをバラされないように。


とりあえず、このバスタオルを脱衣所に置いたらもう一回宇垣くんの部屋に行って話をしよう。


────ガラッ


2階にある脱衣所のドアを開ける。


ん?


シャーっとシャワーの勢いのある音がする。


危ない危ない。誰か入っていたんだ。


今度からちゃんと耳をすませて脱衣所に入らなきゃ、お風呂から誰かが出てきたタイミングで顔を合わせたらそれこそ大変だ。


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