クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


急いでタオル置き場に持ってきた数枚のバスタオルを片付ける。


急げ、急げ、急げ、


───キュッ


へ?今の音って……。
蛇口が閉まる音が、確かにした。


────ガラッ


っ?!


ちょうど最後の一枚を棚に置いた瞬間、


「……へ〜ゆるにそんな趣味があったとはね〜」


後ろから、声がした。
この声……。
後ろを振り返らないまま、固まる。


「ねぇ、ゆる、タオルとって」


お風呂場からの湯気と熱気、一気に脱衣所がムワンとして。


「う、ど、ど、どうぞ」


目をしっかりつぶって、さっき片付けたばかりのバスタオルに手を伸ばしてから、後ろを向いたまま宇垣くんにタオルを差し出す。


「ん、もう目開けて大丈夫だよ」


「ほ、本当?」


「これで嘘ついてたら変態じゃん」


「あっ、、」


「それとも、ゆるってそういうのが好み?」


っ?!


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