クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


目をつぶったまま、ゆっくりと体を宇垣くんの方に向けると、濡れた彼の手が私の髪の毛に触れて、首がほんの少し濡れる。


「ちょ、宇垣くんっ」


っ?!


「きゃっ!」


目を開けてすぐに慌てて手で顔を覆う。
何が開けて大丈夫よ。
目を開けると、そこには上半身裸で髪の毛からポタポタ水滴を落としている宇垣くんが立っていた。


「全然大丈夫じゃないよ!」


顔を手で覆ったままそう言う。


なんで上まだ着ていないのよ!
宇垣くんの、もう大丈夫の意味がわからない!


「隠すところって言ったら普通下でしょ?なんで男が上隠さないとなんないの」


「どっちも隠すの!早く服きてよ!」


まったく、なんて人だ。
よく他人の前で裸で濡れたままの格好で平然としてられる……。


「そんなオーバーリアクションされちゃうと余計からかいたくなる」


っ?!


宇垣くんは、さらに私に詰め寄ると、私の髪の毛に顔を埋めた。


宇垣くんの濡れた肌があたるか当たらないか、それくらいの距離に身体中がボッと熱をもつ。


「あの、離してください宇垣くん」


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