クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「あの、学校でね、私がここで働いてることみんなに内緒にして欲しいんだ。あと、私とも極力関わらないでもらいたいなぁ、と……」


自分勝手なことを言っているのは重々承知だ。
でも、学校で自分の身を守るにはそれしか方法がない。


「……」


「宇垣く────ひっ!」


っ?!


不機嫌顔になりこちらを見つめる彼に、突然両頬を掴まれる。


「はー?ゆるのくせに生意気なんだけど」


「うっ、ごめんなはい、でほ、だっへ……」


「俺のこと嫌いなの」


グッとさらに顔を近づけてくる宇垣くんはゆっくりと手を離す。
濡れた髪が彼を余計に色っぽく見せていて、宇垣くんに聞こえちゃうんじゃと思うぐらい心臓がうるさい。


「違う。嫌いじゃないけど……」


「じゃあ関わるなとか意味わからない」


そうだけど……。これはやっぱりちゃんと説明したほうがいいのかな。


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