クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「ほら、宇垣くんのファンって多いでしょ?今日も学校ですごかったし、私みたいなのがメイドで同じ家に住んでるってバレたら宇垣くんにもほかの2人にも迷惑かけるっていうか……だから……」


私にも攻撃が来たらどうしようっていうのが一番怖いんだけれど。


「ますます意味がわからない。誰かに何か言われたら俺に言えばいいでしょ。なんかあったら呼べばいい、俺のこと」


「……宇垣くん」


「あとそれ禁止。早凪でいいから。ちゃんと呼んでみて」


「うっ、……さ、早凪、くん」


「ん」


宇……早凪くんは、髪の毛を拭いていたタオルを私の頭に乗せてから、脱衣所を後にした。


『誰かに何か言われたら俺に言えばいいでしょ』


自分でもこんなに嬉しくなってる自分にびっくりするくらい、安心してしまっている。


あんなこと言ってくれるとは思わなかった。


いいのかな、迷惑じゃないのかな。
私みたいなのと一緒にいて。


みんなにバレるとかバレないとか、それよりも、今は、早凪くんのその言葉が無性に嬉しかった。


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