クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
*
「え、早凪が起きてる」
「嘘……今日は大雪だね」
翌朝、トーストを一口かじった早凪くんを見て、瑛斗さんと翼くんが目を丸くしてそう言った。
早凪くんが起きてるのってそんなに珍しいことなんだ。
「体調大丈夫なのか?早凪」
ジャムをテーブルに置きながら明人さんがそういう。
「うん。ゆると学校行くから」
っ?!
「ちょっとまって、早凪くん。……昨日の私の話聞いてた?」
「聞いてたよ。聞いた上でだよ」
早凪くんはそう言ってまた一口トーストをかじる。
「あぁ、ゆるちゃんが言ってもダメか。この際だから、瑛斗と翼にも言っておくけど、学校では出来るだけゆるちゃんと関わらないように……」
「だからなんで」
座ったまままっすぐ明人さんを見る早凪くんの目は、明人さんも一瞬言葉を飲み込むほどの目力。