クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





「えっ、ちょ、宇垣くんが女の子といる!」


「初めて見る、誰隣の子」


「彼女?いやまさかね……」


「宇垣くんが学校にいること自体珍しいのに、女の子連れてるって……」


やばいです。早凪くん。実にこれはやばいです。


想像以上に、道行く人全員がこちらを見て驚いた表情を見せている。完全に注目の的だ。


大丈夫と言った当の本人は、呑気にあくびをしてみんなの声なんて聞こえていないみたいに歩いている。


こんなに目立ってるのにそんな風に平然といられるなんて、セレブ学校のさらにトップに立つ人はすごいなぁ。


──────ガラッ


「きゃー!早凪くんっ!」


「2日連続早凪王子が見られるなんてっ!」


教室に入れば、みんな案の定黄色い声を出してうっとりしてから、後ろに立つ私を見て表情を変える。


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