クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
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今日の朝は遅めに起きてしまったので、朝の仕事は大体明人さんに代わってもらってから、登校することになってしまった。
ほんと、メイドとして失格だ。
もっと自覚を持たなきゃいけないのに、昨日は特に、みんなの喜ぶ顔がこんなに早く見られると思ってなかったから余計、嬉しくて、すごく楽しくてはしゃいでしまった。
それに……。
教室の自分の席に座ったまま、お腹を触る。
昨日、早凪くんに触れられた感覚、今もよく覚えている。
部屋の暗さや、早凪くんの囁く声、香り、全部がドキドキさせていて、思い出すだけでも、顔が赤面しそうなる。
今日の午前中の授業も、全然集中できなかった。
考えることはずっと、昨日の早凪くんとのことばかりで。
正確には、昨日だけじゃない。
一見クールで顔色を変えないように見えて、実はすごくマイペースで、自由人。
しかもそのペースに何だかんだ流されてしまうから怖い。
昨日の、思い切り笑った顔は、彼が幼く見えて思わずきゅんとしたけれど。