俺の彼女は、キスができない。
翌日。
休日のせいか、柚希くんが来ていた。

一体、なんなんだ。この人は。
そう思いながら、隣にいる柚希くんを見る。
よく分からない。
でも、あんなことされたからって、避けるわけにもいかない。
無理に記憶を取り戻すのは、ダメだって言われたけど、知らないといけないことが沢山ありそうだな。
知らなきゃいけない。
と言うよりかは、知りたい。私のことも、柚希くんのことも。
いつの間にか、そんなことを思っていた。

「今日は、天気が良いわねぇ。少しだけ、ちょっと散歩しようか。柚子♪」
そう言い出したのは、私のお母さん。
なぜか今日は、上機嫌らしい。
「うん」
私も悪くないと思い、笑顔でかえした。
「じゃ、着替えるから、柚希くんは外で待っててね」
と柚希くんを、追い出してしまった。
正直、昨日の出来事で気まずかったから、安心したけど。

「よし。じゃ、着替えるから、脱いで?柚子」
パジャマから、着替えるわよ♪
みたいな、勢いだなぁ。うちの母。
でも、
「いいよ。自分でてきるから。お母さんも、外で待ってて」
遠慮しておこう。
もう大人なんだし。年齢は、まだ子供だけど。
母親に、迷惑なんてかけたくないし。
そう思い、母が出してくれた着替えを手に取る。
「分かったわよ。迷惑かけたくないんでしょ。外にいるから、できたら出てきてね」
と出ていってしまった。
なんだ、お母さん。分かってたんだ。
まぁ、いっか。
とパジャマのボタンを、外した。
< 23 / 62 >

この作品をシェア

pagetop