俺の彼女は、キスができない。
第一章
ガヤガヤ。
放課後の廊下。
相変わらず、うるさい。

そんな中、私は図書室に向かっていた。
コツコツ。
上靴の音が、廊下に響く。
掃除をする人や友達と話す人、帰る人々などとすれ違う廊下。
いつもうるさくて、仕方がない。
先生に「静かにしなさい!」とか言われても、皆はお構い無しに友達と話す。そんなんだから、怒られるのに。
廊下の件については、先生に幾度と叱られた。
もちろん、それで私も巻き込まれてしまう。
もう説教は、コリゴリだ。
はぁーとため息をしたとき。

図書室の前に、人影が見えた。
どこかで見た、かな。
その人影には、なぜか見覚えがあった。
誰なの?
と思って、廊下の真ん中で、歩く足を止めたとき。
その人影が、図書室の中へと入っていった。

マジか。
一緒って、辛い。
できれば、独りがよかったのに。
私は、人見知りだから。
二人きりとか、苦手。

でも!
私は勇気を振り絞って、歩きだした。
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