俺の彼女は、キスができない。
翌日。
平日のため、私は学校にいた。

「私が、一番かぁ。誰も来てない」
教室に着くと、誰も来てなくて、少し驚き。
いつも、誰かがいるはずだけど。
あ、私が早いのか。
スマホを取り出して、時間を確認する。
やっぱり、いつもより早い。
それに、結構早めに来てる。
可笑しくなったなー。私。
あれ以来、私は私じゃなくなった。
自分らしさが、どこかへ消えた。
どうしちゃったんだろ。私。
変わったなー。私。
ほんとに、ほんとに……。
かわっ…たよ……。わた…し………。
君がいないことで、私ってこんなに変わるんだ。


頼むから。
戻ってきて。
私の、私の。

大好きな人。


「ゆっ…くん………ぐすっ…っ……」
君の名前を呼ぶのは、久しぶりだった。


その日の翌日。
相変わらず、ゆっくんは学校に来ていなかった。

「来てないねー」
そう言って、頬を膨らますのは悠莉。
「まぁ、うん」
私は、複雑な顔でかえす。
すると、悠莉が気づいたのか、
「来てほしそうだね。その顔は」
と言い出した。
全く、この子は何を言い出すのか。
「なんでよ。悠莉には、関係ないでしょ」
と言うと、悠莉はため息をついてから、
「やめなさい。そんなことは。ちゃんと話したの?それからでしょ。別れるなんてことはさ」
悠莉は何かに気づいているようだ。
そんなこと?
そんなことって、何だろう。
「そんなことって?」
「あ、そこ?てっきり、別のとこ、ツッコミいれるかと思った」
「ねぇ、そんなことって何?」
と向き直って、すごく真剣な顔の悠莉。
何を言い出すのかな。
「あなたはね。ムリしてるのよ」
ちょっとドキッとした。
私が、ムリをしている?
でも、すぐに否定した。
「ないない。ムリなんてしてないよ」
「バカね。あなたと長い付き合いだと、そんなのバレバレよ。お見通しなんだからね」
うっ。さすが、悠莉は。
もう。正直に、話したほうが良いかな。
やっぱり、悠莉には敵わない。
「ねぇ、悠莉。今日の放課後、空いてる?」
私は勇気を出して、そう言った。
「空いてるけど、どうかしたの?」
「ううん。なんでもない♪ほら、次理科だよ。行こっ」
と私は、早々に教科書類を持って、走り出した。
「あ、待ってよ。柚子ー!」
呼び止める悠莉の声も無視をして、私はただ走った。



この休み時間は、大切でした。
そして、私の友人は、良い人みたいです♪
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