俺の彼女は、キスができない。
フラれた。ゆっちゃんに。
別れよう。そう言って、俺の元を去った。




日替わり。
アイツが、隣にいない日々が、嫌になった。

アイツが、ゆっちゃんが。
居ないと、俺はこんなにも、ダメになるのか?
食欲も食べる量も、減った。
考え事だって、多くなったし。
翔の話を聞き逃すことも、多くなった。
最近の俺は、可笑しい。
ついには、翔に、
「どうしたんだよ。お前が、悩み事って珍しいじゃねーか」
と言われた。

そんなに、可笑しいのか?
俺は、加藤柚希は。

柚希か。よく「ゆっくん」って、柚子に呼ばれたっけ。
俺も、柚子のことを、「ゆっちゃん」って呼んでたな。
あぁ、思い出すと、懐かしくなる。
そんな昔のことでも、ないのにな。


はぁ。
今、俺の隣には、誰もいない。
というか、フリーになった。
リア充じゃ、なくなった。
その事実が、本当にあって、涙が出そうになる。
俺は、俺は。





「お前と結ばれたかったよ。ゆっちゃん」
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