風船のような


友人から始まった関係は、いつの間にか特別になって、大切な人になっていった。

他人との関わりを苦手としていた私に、私のペースでいいと、待っていてくれた。手を伸ばすだけで、その手を取るかどうかは自由だと、選択肢をくれた。


その手を取った瞬間、ふわりふわりとただ空を漂う風船から、紐の付いた風船になったんだと思う。

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