世界研究部!!
「じゃあ、ロシアの首都は?」

「モスクワ!」と真司。

「スペイン!」

「マドリード!!」全員が揃って言った。

「ハモった!盛大にハモった〜!」

そう真司と幸太が言い、風子たちは笑う。部室がいつものような楽しさに包まれたその時、楽しさを打ち壊すかのように、部室のドアが勢いよく開く。みんなはドアの方を振り返った。

「……失礼します」

メガネをぐいと上げながら、背の高い男子生徒が部室に入ってきた。その後すぐに、知的な雰囲気の女子生徒と、色白で華やかな顔立ちの男子生徒が入ってくる。部室の空気が、一気に冷えた。

部活のメンバーなら、喜んで首都当てゲームに参加させていたが、今日はそういうわけにはいかない。なぜなら、この招かれざる客はーーー……。

「……生徒会長……」

風子が呟く。

「生徒会長の神木(かみき)です」

メガネの男子が言った。

「副会長の田中(たなか)です」

色白の男子が言った。

「書記の宮野(みやの)です」

知的な雰囲気の女子生徒が言った。

生徒会とこの部活は、何度も対立していた。風子が強制入部をさせられた時も、世界研究部を廃部にさせるためにやって来たのだ。
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