明日も明後日も。

週末になり、待ち合わせの10時に間に合うように起きる。
朝食を食べ、歯を磨き、準備を進める。

いつも通りの流れで、ふと手が止まった。

服装って、どんなのがいいんだろう……。

隆は、私がパンツを履くと少し微妙な顔をしていた。
スキニーパンツが動きやすくて楽で、足も細い方なので綺麗に見えるため、私は気に入っていたのだけれど、好きな人にはやっぱり喜んでもらいたいって気持ちが大きくて。

気づけば、私のクローゼットの中は、大して好きでもないスカートが多くなっていた。

ただのバイト先の後輩と出掛けるのに、スカート……。

隆のために買ったスカート。
なぜか自分の中で、スカートは好きな人の前でしか履かない、なんて決まりも作ったりして。
ワンピースなんて、隆以外の男性の前で着た覚えがない。

服を選ぶ、なんて事ですら、自分の生活がどれだけ隆が中心だったかを思い知らされる。

けど、そんな私を変えるんだ。

私は、ぎゅっと唇を噛み締め、スキニーパンツに手を伸ばした。




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