明日も明後日も。


待ち合わせ場所の駅に着くと、「明さん!」と私を呼ぶ声が聞こえた。
声がした方に振り返ると、手を上げて笑っている悠人くんが立っていて。

私の方に駆け寄って来て、「おはようございます!」と明るい笑顔を見せる悠人くんに、私は「おはよう」と思わず視線を逸らした。

ああ、こういうところが多分ダメなんだろうな……。

「明さんって、私服も変わんないっすね」

「え?」

「いや、バイトもスキニーで、私服もそうなんだなーって」

悠人くんの言葉に、私は視線を下に向ける。

……やっぱり、失敗だったかな。
ってか、男ってやっぱりスケベなんだなー。
なんでそんなスカートに拘るんだろう。
自分が履けないから?

「やっぱ良いっすね、似合います」

「……え」

「明さんスタイルいいから、身長高く見えて、足も細くて綺麗に見えますし。何より似合ってますよ」

そう優しく笑う悠人くんに、私は「……ありがとう」と、間抜けな声でお礼を言っていた。
そんな私を、悠人くんはクスリと笑って。
その姿が、私よりずっと大人っぽくって。

「まあでも、男としては明さんのスカート姿も見てみたいんで、次はお願いします」

ああやっぱり、スカートなんだ。
なんて思ったけど、全然嫌な気持ちにはならなかった。


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