明日も明後日も。
映画はとても面白かった。
最近話題になっていることもあり人も多く、元々ミステリーは好きなのもあって楽しく見れた。
そういえば、隆と映画ってあんまり行かなかったな。
隆が私の嫌いなホラーを好きなのもあって、楽しかった記憶があまりない。
「明さん、この後昼飯でいいっすよね?」
「あ、うん」
スマホで時間を確認すると、ちょうど1時くらい。
お昼にはちょうどいい時間だ。
「明さんは何か食べたいものありますか?」
「うーん、特に……。悠人くんは?」
「じゃあ、パスタはどうですか? この辺に美味しいお店、知ってるんですよ」
「じゃあ、そこで……」
悠人くんは「こっちです」と言って、私の手首を掴んで引っ張った。
一瞬ドキッとしたが、手首はすぐに離されて。
顔を上げると、悠人くんは優しい笑顔を見せた。
その笑顔に、少しドキドキしてしまった自分がいて、思わず視線を逸らした。