明日も明後日も。


「……男の人って、女の人の何に興奮するの?」

「……はい?」

「胸? お尻? それとも、ちょっとSな方がいいの? やっぱり上手い子の方が好き?」

「あのー明さん? もしかして酔ってます? タバコにアルコール入ってましたっけ?」

「私だって……調べたり、するもん」

「……」

「……私だって、笑うよ。むしゃくしゃするよ。泣くよ。怒るよ」

悠人くんは、「うん」と静かに相槌を打つ。

「好きな人には、可愛いって思われたいもん」
「うん」
「笑い返してくれたら、嬉しいし」
「うん」
「せっかく一緒にいるのに、怒りたくないもん。喧嘩、したくないの」
「うん」
「……3年間、一度も喧嘩したことなかった」
「え、まじっすか?!」
「……変?」
「いや、変っていうか……」

悠人くんは、少し困ったように視線を逸らす。
「凄いっすね、何も文句無かったんですか?」
「……無かった、ってのは嘘になるかな。けど、言わなくていいかな、みたいな……」
「おお……心広いっすね」
「……でも、何考えてるかわからないって」

いくら考えても、わからない。
何で、伝わらなかったんだろう。
何で……伝わってると、思ってたんだろう。


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