君に恋をしています
始まり
恋はどきどきそわそわして、傍に居るだけでたまらなく幸せな気分になれるの。
逆に傍に居ないと不安になって…って、自分のものでもないのにおかしいよね。
でも、その日中落ち着かなくなったりするの。
恋ってきっとそういうもんよ。私の場合はね。





「へぇ」

幸せそうに微笑む友人に、ただ純粋に見惚れて思わず気の抜けた声が出た。
そんな綺麗に笑うのかって頭の片隅で考えていたら、隣からがたんと音がしてぼやけた思考は現実に戻される。

「〜っ!…ぁあー!!なにそれ益々恋したくなってきたんですけど!!」

前から四番目廊下側の席。
友人┄┄沙耶の机に集まってなんの脈略もなく"恋ってなに?"と切り出したのはこの勢いよく立ち上がった遥香だった。

「うるさ。」
「いやいや逆になんでお前そんな冷静なの???」
「逆になんでそんな騒いでんだよ。」
「この衝動は声にしないと収まらないの!」
「はぁ?」

周りからの視線を浴びてることになんで気づかないんだこいつ。
なんとか押さえつけて再び床に座らせれば、遥香はじとりとこちらを睨みながら話を振った。

「裕斗は恋したくならないの?」
「別に?」

現在進行形で恋してるし、とは流石に言わない。

「あーあ、もう恋できるからなんでもいいや。誰か告ってくんないかなあ。」
「気持ちがないのに付き合うのはダメじゃない?」
「えぇー?いいじゃんそのうち恋に落ちるかもしれないんだし」

じゃあ俺と付き合って、とも流石に言わない。
ただこの時の俺は確かに希望を感じていたし、なんならそろそろ吐露してもいいんじゃないかと思っていた。
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