はたして君は私の事を覚えているのだろうか?
次の時間、今は理科の時間だ

私はさっきの体育での出来事を思い出していた


『青城、普通にドリブルしながら走ってパスをくれ』


青城……青城かぁ~

別に前みたいに呼ばれたいわけではないが少し距離がある気がした

いや距離があるのは普通だ

一般的なクラスメートに対する接し方と同じだ

まぁ昔と同じ呼び方をしてくれなくて少し残念?悲しい?そんな曖昧な感情がある気がするがそれは良く考えれば普通の事だ

そうだね、普通に考えれば当然だ

今まで私が気にし過ぎていたんだ

今日から彼は私の知ってる"はるくん"じゃなくてただのクラスメートの"海老名"だ

そう考えると案外アッサリ受け入れることができた

なんだ簡単なことじゃないか

向こうが覚えていようがいまいが今はもうただのクラスメートだ

というより彼は私の事を多分覚えていないのだろう

まったくそんな素振りも態度も無かった


まぁそう考えると少し癪に障る気もする

私だけ覚えていて向こうは覚えていないだなんて


まぁもう割り切った事だ

明日の練習からは特に気にすることも無くただのクラスメートとして接する事が出来るだろう


そんな事を考えていたらいつの間にか授業が終わりかけていた

チャイムがなり、号令をする


そこで私はふと思う



「なんで私がバスケ部だってしっていたんだろ?」


私が小声で呟くと赤羽が反応した


「あ?今なんか言ったか?」

「ううん、なんでもない。ただのどうでもいい独り言」

「……ふーん?」


そう、どうでもいい

だからなに、という話だ

まぁ男バスと女バスで1コートずつ使う時もあるからとなりでみてみたら同じクラスのやついた~位の感覚で覚えていたのだろう

多分それくらいの理由だろう
< 14 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop