はたして君は私の事を覚えているのだろうか?
やっとの思いで2回走る場所まで来ることができた

とても遠かった気がする


「なぁ、お前ホントに平気なのかよ」


海老名が再び怪訝そうな、そして心配そうな顔をして聞いてきた

私は「大丈夫」と、言った

そして疑問に思ったことを聞いた


「君はアンカーだから1個向こうの場所にいなきゃじゃないの?ここにいていいの?」

「あー……まぁ、平気だ」

「というかどうしてここにいるの?」

「えっと、ちょっとだけ用事があってな」

「あぁそうなんだ」

「まぁ俺はもう行くから、無理はすんなよ」

「うん、サンキュ」


海老名はそう言うと1つの向こうの場所に移動していった

というか用事ってなんだったんだろ?


「(お前が具合悪そうだったから心配して来てやったのに気付けよ)」


海老名がそんな事を思ってただなんて私は気付かなかった



そしてついに2回目の出番がそろそろ来るので校庭のトラックの所で待機する

するとそこには櫻木がいた


「あれ?もしかしてゆき最後から二番目の走者だったりする?」

「え?るい?じゃあもしかして君が僕と同じタイミングで走るの?」

「そうだね」

「えー……るいと走るのかー……手加減してよね」

「さぁー?」

「あぁ、そう言えばうちのクラスのアンカーはそーちゃんだよ、2組は?」

「うちははるだよ」


すると突然櫻木と目が合った

そして櫻木は心配そうに聞いてくる


「ねぇ、るい。もしかして具合悪いんじゃないの?」

「そんな事ないよ、引きこもりには日光が辛いだけ」

「いや具合悪いでしょ、顔色悪いし肌真っ赤になってるし。他の人に代わってもらった方が……」

「へーき、ほらそろそろボールが回ってくる。集中しないと」


無理やり櫻木の言葉を遮った

そしてボールが回ってきた
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