はたして君は私の事を覚えているのだろうか?
時は少し遡り……

海老名晴陽side


++++


るいからボールを受け取った

まだるいのことが気がかりだったが今は走らなくては行けない


俺は走り出して爽雨を追いかけた

後少しで抜かせそうだ……


ゴールまで後数メール

ついに並ぶことができた

あとは直線だ

ここで追い抜いてやる!


俺は限界のスピードでゴールに向かって走る

後少しだ


そしてゴールテープを切ったのは







俺だった

次の瞬間校庭が歓声に包まれた


「はぁ~……疲れた……」

「チッ……負けちまったよ」


乱れた呼吸を整えながら喋る


「あはは、今回は俺の勝ちだね」

「うるせー惜しかっただろーが」


成瀬は少し不貞腐れた顔で言った

その後諦めた様な顔で言った


「まぁ、"今回"はお前の勝ちだよ。今回だけだからな。来年覚悟しとけよ」

「まぁリベンジはいつでも待ってるとしようか」

「ウゼーっつーの」


そんな軽口を叩きあっていたらふと気付いた

そして嫌な予感が頭を過ぎった


「……なぁ、るいはどこにいる?」

「あ?……そう言えば見当たらねーな、クラスの列にもいねーじゃんか」

「まさか……」


俺達は当たりを見渡した

すると成瀬が声を上げた


「あっ!オイ!あそこで倒れているやつってまさか!」


ふと視線を向けると校庭の反対側でるいが倒れていた
< 22 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop