びたーすいーとアクアリウム
「うん、あまり悪くないね。1日だけだよ」
そ先生の言葉で、ツバサの心は腹躍りした。

…………
………
……



「シロワニー! シロワニー!!」
「あ? あれサメだろなんでワニなんだよ」
「昔はサメの事をワニと言っていたとかなんとか」
「ややこしいなおい」
大水槽のあるこの場所で、シロワニというサメを見つけてはしゃぐツバサに、レオが返答する。
「もうすぐ整理券取ったカワウソと握手するやつ始まるよー」
「あ、もうそんな時間ですか。行きましょう!」
「ほらレオ車椅子押して!」
「なんで俺なんだよ……」
「レオが一番デカイからね。縮め約180cm」
「うるせえチビ」
「チビじゃないしー! 175cmは超えたしー! さ、行かないと始まっちゃう!」
「へいへい」

外出許可をもぎ取ったツバサは、レオ達の誘いでこの前訪れた水族館を訪れていた。
「ジンベエザメもシロワニもかっこよかったですね!」
「ふれあいコーナー周ってお昼食べたらまた来よう!」
「はい!」

お目当てだったジンベエザメも見れて、ツバサはご機嫌だった。
ただ一つ、車椅子をレオに押させてしまっているのが申し訳なのだが、ぶっちゃけ好きな人に尽くしてもらえるのが嬉しい。
本館を出ると、空気が澄んで高く見える空がツバサ達を待っているかのようだった。

「お昼どこで食べよっか~」
「沢山お店ありますからね」
ふれあいコーナーへ向かう途中、色んなレストランを通った。
「フードコートとかでもいいかもね」
「いいね!」

ふれあいコーナーでカワウソとの握手をした後、混まないよう早めにフードコートを訪れた。
ツバサは醤油ラーメンチョイス。
味噌ラーメンの和希が一緒に運んできてくれた。
レオも醤油ラーメン、絢斗は豚骨ラーメンだった。
「ショー見るのはいつの回にします?」
麺をよく噛んで飲み込み、喋る。
「最後でいいんじゃない? 本館ゆっくり見て回ろうよ」
「それでいいと思う、レオさんは?」
「なんでもいい」
「それじゃあそういうことで!」
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