ひとりぼっち宣言!「残業、休日出勤引き受けます」
クリスマスイブイブはカレンダー上では土曜日なので仕事が休みになっているものの、仕事が終わらない私は休日出勤した。


彼氏が居ない者にとって、休日出勤は好都合でもある。


友達や同僚は皆、彼氏や家族サービスに没頭中で独り身の私など構うはずもないので、寂しさを紛らわす事にもなる。


仕事に没頭していれば……

"切ない"

"寂しい"

"人恋しい"

など余計な感傷に浸る事などなく、時間が過ぎ去るのを待てば良いのだから──


クリスマス当日の今日でさえ、クリスマスひとりぼっち上等の私は、皆の残業も引き受けてしまうのだった。


"クリぼっち"は休日出勤も残業も大歓迎。


静かな社内にキーボードを叩く音が悲しい程に大きく響いている。


「……志田さん?……志田さんってば!そろそろ一息入れませんか?」


「……っわぁ、は、はい。コーヒーでも飲みましょうか?」


入力に夢中になるあまり、背後からポンッと肩を叩かれるまで問いかけに気づかずにいた私は、突然の事に身体がびくつく。


「志田さんは毎日のように残業してますが、押し付けられてるんですか?それとも、失礼な事をお聞きしますが……生活の為ですか?」


「……押し付けとも、生活の為とも違うんですが、残業してると落ち着きます」


話をかけてきたのは、入社日が一年先輩の西さん。


この方も休日出勤や残業の常連さん。
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