ひとりぼっち宣言！「残業、休日出勤引き受けます」

「志田さんが好きです。付き合って下さい」


「……え？ 私の何処がですか？」


思い当たる節などなく半信半疑になり、ふと尋ねてしまう。


「辛くても忙しくても笑顔を絶やさないところ、小さくて可愛いところ、仕事早いところとか色々あるよ。とにかく、俺には可愛くて仕方ない！」


ふとした瞬間に抱き寄せられ、心臓が高鳴り始める。


今まで西さんを男として意識などしたことがないのに感情が高ぶる。


嫌いじゃないけれど、むしろ好きなタイプではあるけれど……。


「……志田さんさ、俺が今抱きしめてるの分かってる？」


「分かってます。でも……どうしたら良いのか分かりません」


「そっかぁ、志田さんには男として意識はされてないみたいだね。嫌なら突き飛ばしていいのに……」


「嫌ではないです。けど、本当にどうしたら良いのか分からなくて……」


西さんの温もりと吐息が直ぐ側から伝わり、恋愛初心者の私は背中に腕を回す事も出来ずにいた。


突き飛ばしたりしないのは、西さんの事が嫌いじゃのと、温もりが心地良いから。