銀色の翼
ピースが1つ、そこに落ちてる。
「杏菜ー、今日映画見に行かない?」
「ごめん今日お金持ってない、また誘って」
「わかった、じゃねー」
クラスメイトの誘いを断って無駄遣いを防ぐ。
「あずー、一緒に帰ろー」
「いいよー」
今日も親友の恵理と一緒に帰る。
「ねぇ、もうすぐあずの誕生日だけど、何が欲しい?」
そういえば私の誕生日、もうすぐだったなと思い出す。
「んー、イヤリング?欲しいかな」
「どんなやつの?」
「可愛いヤツ」
「オッケー」
恵理は昔から私のことをよく知ってるからなんでも話せる。
例えば、私があまり人に触れて欲しくない話とか、夢とかそんな話のことを全部知ってる。
親は私が6歳の時に離婚した。
もう10年も前の話。