だから何ですか?Ⅲ
そこへもう一歩踏み込めば、
「っ・・・おかしいです!迷惑なんですって!」
「へぇ、」
「っ~~あの夜の次の日から頻繁に携帯鳴らすからここ数日で着歴全部伊万里さんですよ!?」
「そうなんだ、」
「メ、メールだって・・・『会いたい』の一言メールどんだけ連続で送ってくるんですか!?最早携帯がホラー化してますよ!」
「フッ・・いいじゃない?嬉しいだろ?」
「だからっ・・・迷惑なんですって、」
何をトチ狂った事を言っているんだ!?
口調の勢いばかりは強くとも、その表情や逃げ場のない体ばかりは素直に怯んで目の前で竦む。
壁にこれでもかと背中を張り付けている姿に追い打ちをかけるようにゆっくりと距離を詰めて、そんな俺を威嚇するように必死に見せているけれどあまりの緩さに笑いが漏れる。
鼻先10センチほどの顔の距離?
「・・・知ってる」
「っ・・・」
「むしろ、迷惑だと思うからしてるんじゃん?・・・【迷惑にしとく】お前だって知ってるからしてるんじゃん?」
「っ・・・・ど・・いう事・・・」
意味が分からない。
本気でそう訴えている事は至近距離で捉え対峙する目の揺らめきでよく分かる。