だから何ですか?Ⅲ
そうよね。
ずっと・・・きっと私以上にそれを望んでいて。
それでも、ずっと我慢し抑制して今この時間まで過ごしていたんだよね。
誰だって・・・自分の大切な物を壊されて憤らない人はいないでしょう。
特に彼はそう言う人。
なのに壊された私がそれを阻んでいたんだもの。
「・・・・高城のくだらない玩具の王国をぶち壊して。私の為に」
これを望んでいたんでしょう?とまっすぐに狂気的な緑を見つめげて言葉を発すれば、何故か予想外に寄った眉根が微々たる不愉快を落としてくる。
それには少し虚を突かれ、そんな私の顎を優しい力が掴みにくる。
「最後の部分は要らない。俺が動くのは全部俺の為だ。俺の我欲であの阿呆の玩具の世界を壊すだけだ」
「・・・・・」
「・・・お前は言うな。それに・・・お前だって自分の為じゃないだろう。あの男の為だろう」
「・・・・・雨月くん、」
「亜豆が亜豆であれる為ならなんだってやってやるよ」
私に対する雨月君を例えるならどこまでも忠誠愛に満ちた騎士(ナイト)だろうか。
愛情は誰よりも深いのに決してそれを共有しようとはしてこない。
護る事が最大の愛情表現。