だから何ですか？Ⅲ

私の為なら何でも汚れ役を引き受け返り血の一滴すら浴びせないようにしてくれるような。


素の私をどこまでも私のままで保って守りつくそうとしてくれる。



「・・・雨月君は・・・意地悪だよね」


「・・・何でだよ」


「私は・・・雨月君に恋したかったんだと思う」


「・・・・・」


「でも、そんな事を思う前に私のそれを壊しちゃったのは雨月君だもん」


「・・・・一番に愛してやれない愛情の狂気にお前を引き込む気はない」


「フフッ・・・愛されてるなぁ、私」


「己惚れてろ。お前だって俺を好きだと言いながら絶対的優先順位はあの男な癖に」


「・・・うん、悪いけど・・・迷いも躊躇いもなく雨月君の手を離すと思う」



雨月君がそうであるように、私もそんな選択の場が訪れればあっさりと手を離す。


それだけ・・・自分の中で理屈ではなく何よりも大切な存在。



「伊万里さんが私の全て」


「だったら・・・俺はそれすらも守るだけだ。お前の為に」


「フッ・・・イケメンだなぁ、雨月君は」








そんな2人の秘め事の様な時間があった。


密かなる謀の持ち掛け。


『もし』、『仮に』、その時点ではまだ実行することになるかは未定であったけれど、きっと実行せざるを得なくなる謀。









高城の玩具箱をひっくり返してやろうじゃないか。