だから何ですか?Ⅲ
床に崩れ這いつくばったまま下手に身動きできずに畏怖している姿に、ズイッと身を屈め覗き込んだ姿はどこまでも畏怖すべき瞬間であったのか。
至近距離から見せられるあの冷笑はどれほどの恐怖か。
それを物語るように高城の双眸が見開かれ。
「死なんて安楽を与えてやるか。死が訪れるまで続く苦痛に沈め続けてやる。・・・俺のドールハウスで。悲劇のヒーローを演じさせてやるから喜べよ。
俺の可愛いお人形さん」
「っ____!!!!!」
ゾクリと震える。
いっそ・・・・殺してくれと言いたくなるような絶望を約束された今後の生涯。
きっと、この人の遊びはどこまでも温さが無いのだろう。
救いがなく、許しがなく、甘さも、悦楽もない、どこまでも非情な冷たいシナリオの主役。
思わず身を後退させていた俺は正直だろう。
巻き込まれたくないと瞬時に思った防衛反応。
決して巻き込まれるような事をしているでもないというのに。
やはり・・・この人は絶対に敵に回したくない。
本来こういう場面であるのなら脅されている相手が取り乱して媚び諂い許しを請う一瞬があってもおかしくないと思うのに。
ただただ非情さの前に屈して放心する高城は分かっている。
何をしても無駄。
許しなど砂の一粒ほども期待できない絶対的な絶望。