だから何ですか?Ⅲ




「まあ・・・精々自由の余地のある刑務所暮らしを楽しんでくるんだな。高城の地位なんて地に落ちた。お前の偽りの好印象も崩れ落ちて本性丸出しだったさっきの出来事は全て館内放送で社員に筒抜けだ」


「っ・・・あ・・・あああ・・・」


「それに加えて・・・汚職、裏帳簿、脅迫に婦女暴行・・・よかったな。それだけ刑務所に逃げられる理由があって」


「うぁぁぁ!!!何でっ・・・何でだっ!!!!」


「『何で?』・・・・ハッ・・・俺に理由のない喧嘩を吹っかけたのはお前だろう?

俺の亜豆を壊した。

ずっとずっと・・・・どうやってお前を壊してやろうかって楽しみにしていたんだ。

お前のこんな絶望的な表情にどう唾を吐いてやろうかって」



クツリと笑い乱暴に高城の顔を掴んだ大道寺さんの狂気的な笑みは残酷な子供の様な無垢さがある。


高城の目から生気が抜けるのを確認するとククッと笑ってその手を離す。


そうしてようやく俺に・・・いや、こちらに意識を向けた目には一瞬怯むも今までの様な狂気は無かった。


穏やかな、牙を仕舞い込んだ獣の気怠さ。


今までの姿は何だった?と思ってしまうほど一瞬でその牙を収めた姿がすたすたとこちらに近づいて、牙の恐怖がない姿にはどうやら自分の体も怯む事をしないらしい。





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