だから何ですか?Ⅲ



わ、分からねぇ。


女心とかマジで分からねぇ。


今さっきまでキラキラした目で俺を見てた癖に。


そんな葛藤に満ちてフリーズしていれば。



「どうせ・・・女心分からねぇとか思ってるんでしょ?」


「っ・・・分かってるなら、俺を惑わすのやめようか?」


「本っ当・・・さすがに汲めって言うんですよ!」


「あああ、もう・・・何?本当、やっと会えたのに言い争いとかしたくねぇんだけど?」



決して俺の方は荒ぶっての喧嘩腰ではない。


ヤレヤレと頬を掻き、亜豆の不愉快に低姿勢で様子伺いの言葉がけであったと思う。


そもそもそんな俯かれたら顔見れねぇじゃん?と、伸ばした手で顎に触れた瞬間。



「さすがにっ・・・・こんな顔見られたくないって・・・思うじゃないですか」


「・・・・・・」


「・・・・・別に・・・誰にどう思われても恥ずかしいとか感じないけど。・・・・やっぱり・・・伊万里さんに見られるのは・・・なんか・・っ・・」



言葉に詰まると同時に更にキュッと俯いた顔の角度。


その際に指先が掠めた頬は尋常じゃなく熱く感じた。


その熱が・・・感染。




あーーーーー・・・・・熱ぃ・・・。

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