だから何ですか?Ⅲ



「本当に凛生ちゃんも相変わらず可愛いんだから。いっそこれを機に凛生ちゃんもうちの子になっちゃえばどう?」


「可愛い娘は麗生ちゃんだけで充分でしょう?何欲張ってるんです色ボケ会長」


「やだなぁ。凛生ちゃんも『パパ』って呼んでもいいんだってもう何年も言い続けてるのに」


「もう何年もそれにお断り続けていると思うんですが?」


「私も間違っても『パパ』とは呼びませんけど」


「うーん、つれない!そこがまた可愛いな麗生ちゃんも凛生ちゃんも!」


「「どMかダメ親父」」



お・・おお・・・、


菱塚の会長捕まえて物凄い悪態なセリフ吐いたぞ亜豆姉妹。


しかも2人してどこまでもドライな無表情で。


なのに悪態つかれた会長超ご満悦に笑って流してる。


何この式前だってのに感動もくそもない控えタイム。


えっ?とその突っ込みを全てぶつけるように海音に視線を走らせれば、苦笑いで『悪い』なんて一言が返される。



「親父のお気に入りでね。亜豆姉妹は」


「あー・・・会長すら虜にする亜豆姉妹の恐ろしさ」


「フハッ、違いない。存分に己惚れようかお互いに。そんな亜豆姉妹の好意を独り占めできる権利に」


「フッ・・・違いない。おめでとうお互いに」


「お前も早く後に続けるといいな」



クスリと笑って言われたセリフに『出来るものなら』と付属されたような気がしたのは気のせいか。

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