だから何ですか?Ⅲ
「とにかく、あんたはちゃんと休んでなさいよ。そのために私が来てるんだから・・・って、何すでにパソコン立ち上げてるのよ!!没収!!」
マンションの自室に入り込むと泊りがけの荷物であろうスーツケースを置いた雛が『さて』とばかりに振り返って俺に忠告。
それでもすでにその声が響いた時にはカウンターに置いてあったノートPCの電源を入れた瞬間で、それに気が付いた勢いのまま取り上げられて目を細める。
「・・・・暇なんだよ」
「はぁぁぁ!?あんたね、救急車で運ばれて自宅療養の身分で!」
「じゃあ、何してろっていうんだよ?」
「だから寝てなさいよ!睡眠不足も注意されてたでしょ!?」
「・・・・・寝たくねぇ」
最終的にボソリと零したのは一見子供の様な我儘で、口にした直後には言葉じゃわからないと見做されたのか思いっきり殴られ頭がズキズキと痛む。
「クソアマ・・・」
「あら残念。我儘言う子には愛情たっぷりの鉄拳で強制睡眠につかせてやろうと思ってたのに」
じゃあもう一発とばかりにかざされた手をパシリと掴んで頭を抱える。
そんな俺の反抗に一瞬はムッとした表情を見せた雛だけどすぐに掻き消し、代わりに探るように覗き込んできた。